教育重視の大学で実務家教員採用の動き
前回は、中央大学国際経営学部学部長の木村有里氏に、社会人経験を持つ教員が多数派となる20年後の大学教員採用の未来像と選考の実態について伺った。
今回は、産業能率大学経営学部学部長の杉田一真氏を取材した。杉田氏は慶應義塾大学総合政策学部・法学部、同大法学研究科修士課程を修了後、戦略系コンサルティング会社で大手企業の経営管理やマーケティング戦略に携わり、約5年の実務を経て2008年に嘉悦大学で教壇に立った。
キャリアセンター長や学長補佐などを歴任し、2年連続でベストティーチャー賞を受賞。慶應義塾大学政策・メディア研究科特任講師を経て、13年に実学教育に定評のある産業能率大学へ移籍し、現在は経営学部学部長として実務家教員の採用・育成を担っている。
産業能率大学は2000年、「教育中心大学」を宣言している。研究活動よりも学生の成長や授業の質を最優先に掲げる大学であり、全国約800大学の中でも、こうした教育重視の大学で実務家教員を採用する動きが広がっている。
「研究がしたいなら他の大学へどうぞ。うちは教育中心大学なので」と杉田氏は語る。
その言葉の背景には、「産業界に最も近い教育機関」という明確な“コンセプト“がある。近年、社会人経験を持つ教員を導入する大学は増えているが、杉田氏は「本当の意味でうまくいっている大学はそう多くない」と指摘する。
論文や学位が重視される研究中心大学に対し、教育中心大学の選考基準は驚くほどシンプルだ(下図参照)。
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