「母さん、裏切ってすまない…」亡き妻の写真に手を合わせる71歳父の落胆。〈年金16万円〉〈資産1,700万円〉真面目な父が、孤独の中で失った「40万円と自尊心」

「母さん、裏切ってすまない…」亡き妻の写真に手を合わせる71歳父の落胆。〈年金16万円〉〈資産1,700万円〉真面目な父が、孤独の中で失った「40万円と自尊心」
(※写真はイメージです/PIXTA)

「なぜこんな騙され方を」……ニュースの詐欺事件などを見て、そう思う人は少なくないでしょう。しかし、真面目な人が抱える孤独や「困っている人を助けたい」という善意を狙ってお金を盗み取る手口は、減るどころか増え続けています。今回は、妻を亡くした失意の中で「まさかの事態」に陥った71歳男性の事例を見ていきましょう。

「父さん、どうしたの?」……息子が覚えた違和感

「父は真面目を絵に描いたような人で、浮気や怪しい話とは無縁の人生でした。だからこそ、なんともいえない気持ちになりました」

 

そう声を落とすのは、関西のメーカー企業で働く誠さん。都内で一人暮らしをする父親の清志さん(71歳)は、堅物ともいえる真面目な元公務員でした。

 

65歳で退職したあとも、近所の学童保育で子どもたちの見守りスタッフとして週3回勤務。収入は年金と合わせて月30万円ほどあり、長年連れ添った妻との生活は穏やかそのものでした。

 

しかし清志さんが68歳の時、妻ががんにより急逝。「妻と一緒にいるのが生きがい」とこぼしていた清志さんの落胆は激しく、アルバイトも辞めて家に引きこもりがちに。しかし、関西で暮らす誠さんにできるのは、「何かあったらいつでも電話してくれ」という声掛けだけでした。

 

変化があったのは、母が亡くなって2年経つ頃。帰省した誠さんを玄関で出迎えた清志さんは、憂鬱さがなくなり表情が明るくなっていました。服装も、以前なら着ないような少し若いデザインのシャツを着ています。

 

「最近、行きつけの飲み屋ができたんだ。色んな人と話すようになってな」

 

誠さんは「外に出る気力が湧いたなら良かった」と胸を撫で下ろしました。しかし、年が明けた正月の帰省。誠さん一家を出迎えた清志さんの様子は一変していました。

 

やつれた顔、おどおどした目線。どこか遠くを見つめて溜息ばかりついています。

 

「体調でも悪いの?」と聞いても、「いや、大丈夫だ」と目をそらす。昔から嘘をつくのが下手な父です。誠さんは家族の目を避け、清志さんを2階の部屋へ連れていきました。

 

「心配だから、何かあるなら俺にだけは話して」

 

そう伝えると、清志さんはこぶしを握り締めながら「まさかの告白」を始めました。

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